夏秋栽培で潅水・施肥は非常に重要

蝦名園芸さま(青森県むつ市)/トマト、キュウリ、茎ブロッコリー、夏秋いちご

蝦名さんと潅水施肥盤「あぐりウォーター」
所在地むつ市
作物トマト、小玉トマト
栽培規模1,200坪
作物キュウリ
栽培規模500坪
作物茎ブロッコリー(スティックセニョール)
栽培規模400坪
作物夏秋いちご
栽培規模280坪

自己紹介をお願いします。

蝦名園芸の蝦名正雄です。青森県むつ市でトマト、キュウリ、茎ブロッコリー、夏秋いちごなど施設園芸栽培しています。 東京の企業に就職後Uターン後、青森県営農大学校で2年間学び、両親の圃場を引継ぎ、昭和63年に就農しました。

主に地元市場、千葉市場、JA(トマト、イチゴ)などに出荷しています。年間生産量の半分は地元、もう半分を東京近郊に出荷しています。
従業員は常用2名とパート6名です。

夏秋いちご下北地域の夏季冷涼な気候を生かしてむつ市と東通村で盛んに栽培されており、主にケーキ等への業務用として使用されております。 ミニトマトは、糖度が高く 果皮が薄く軟らかい「プチぷよ」という品種が好評を得ています。

大人気のミニトマト「プチぷよ」

青森県農業経営士であり、農業体験研修や、新規就農者等の研修を受け入れています。

導入しているスマート農業機器をご紹介ください。

潅水・施肥制御としてあぐりウォーター2台+増設盤が1台とウルトラエースH、H2、Kが各1台、タイマー制御盤が1台、 グリーンハウス15棟にモニタリング機器として養液土耕いちご用にあぐりセンスクラウド1台と他の圃場にプロファインダー7台、アグリネット4台、みどりクラウド1台が入っています。 側窓自動換気として、くるファミⅢが入っています。

自動潅水施肥「あぐりウォーター」(jwp)
あぐりセンスクラウド(jwp)
ウルトラエース(渡辺パイプ)

あぐりウォーターの導入目的・きっかけをお聞かせください。

最初はタイマー式を使用していたけど、いづれ日射比例式をやろうと思っていた。 「あぐりウォーター」を導入目的は3点あります。
 降雪地帯でグリーンハウスでの夏秋栽培がメインで促成栽培もおこなっていますが、環境制御などより実施できることは限られます。
・先ず環境モニタリングでリアルタイムで、データを貯めたい。天気・環境と生長を合わせて見たい
・土壌水分・EC値が見えるようにしデータを残したい。
 環境モニタリングは10年位前からおこなっているが、土壌の状態を知りたい。栽培管理や収量に影響すると思っている。
・潅水は日射比例をおこないデータを取っていきたい。

あぐりウォーター2台と増設盤1台で複数作物を系統別に施肥・潅水

実際にあぐりウォーターを導入した効果等ありましたか?

潅水装置の仕様を調べて依頼したので、内の圃場では良い感じで使用出来ています。 他の潅水盤も何社か使っていますが、一目で窒素量がわかるなど良い機能だと思います。 後どの位で潅水するとか分かったり、どこのハウスに何を植えているかということも圃場入力欄で自由に記入できるので 栽培品種や株数など入れて、1株当たりの潅水量に置換えする際便利です。
過去のデータが残るので、次の年どうすればよいか計画立てやすい。 毎年1,2名の新規就農者の研修生を受け入れしているので数値的な部分を具体的に説明できる。
土壌水分データを取得し残せるのでより良い土壌の状態、潅水を最適化していきたい。
・数値データが確実に残るため、昨年との比較が可能になり計画が立てやすい。
・夏秋の多いパイプハウス栽培では環境制御が難しいので、潅水制御は伸びしろがあると感じています。

潅水システム:電磁定量ポンプ、電磁弁、フィルタなど

あぐりウォーターを使用する上で工夫していることがあれば教えてください。

・日の出/日の入りの自動算出機能があるので朝一潅水、日の入り前潅水停止設定を利用している。
 夏秋の飽差条件の良い朝に潅水でき、夜に水を吸い上げず裂果が起こりにくい潅水ができる。
・栽培品種を登録できるコメント欄を利用している。
 これにより栽培作物名、株数などが登録でき、潅水量からの1株当たりの潅水量が計算しやすい。従業員でも出来る。
・施肥した分の窒素量の計算が自動化でき便利です。
・jwpは、青森県に在る会社で地域密着・定期訪問してくれて、プラットフォーム画面等定期的に改版していただいています。

導入を検討している方へ。

潅水施肥システムは導入した方が良いと思います。理由ですが、青森県内では水と肥料を最適化することでもっと収量が向上すると考えている。 というのはハウスを使った栽培でも夏秋が多く夏秋メインではハウスの環境制御は難しい。 土壌の水と肥料の最適化が効果的だと思います。

あぐりウォーターの各系統別の栽培品種、系統はどのようにしていますでしょうか?

潅水施肥系統割り当て表

秋時期の系統設定です。左側の機器構成、系統設定が土耕栽培で16系統使用しています。 右側の機器構成、系統設定が養液栽培、高設栽培の作付けとなります。

いちご養液土耕栽培と環境モニタリング「あぐりセンスクラウド」
いちご高設栽培と環境モニタリング「あぐりセンスクラウド」

トマトやキュウリなど潅水量が多い物も栽培されてますが大丈夫でしょうか。

潅水量や施肥量を個々に設定し潅水するので大丈夫です。
【補足】本管径、本管・潅水チューブ長、潅水チューブ仕様、ポンプ圧等で流せる水量は計算出来ます。

トマトのポッド栽培もおこなっている

トマトのDキューブ(超少量培地栽培)少量多頻度潅水が必要で多い時は1日60回位潅水する

キュウリ養液土耕栽培

蝦名さんのハウスでは栽培技術研究会の研修圃場になっているそうですが?

近隣の若い農家さんと勉強会の組織を作っています。いちご栽培中の5,6ヵ月は各圃場を廻り確認やアドバイスをしています。 使えそうな機器装置の話もしていて私の他この地域に5台あぐりウォーターが入っています。また圃場のデータは勉強会参加の農家さんは全てのデータを見られるようになっています。 自分のハウスと比較できる様になっています。

蝦名園芸のハウスで現地研修会の様子

今後のスマート農業技術への期待、ご要望があればお願いします。

 はい、あくまでイメージ・要望になりますか下記の様な物があればと考えています。
・定植から収穫までの設定・確認不要の自動動潅水施肥があれば良いと思います。
・それぞれの環境制御装置をバラバラに制御→複合環境制御→ 統合環境制御へ(導入済機械でも,どの装置も)
・生育調査の自動化。例えば定点カメラ等での生育(茎径、葉の大きさ)、病虫害確認等の自動化。
・ハウス内でのドローン等での自動農薬散布など。
・夏秋・単棟パイプハウスメインの圃場で使えるスマート農業機器が増えれば良いと思います。
・夜間ロボットでの収穫、朝からは人間が収穫(労働力不足解消・効率化)
 これらの技術が普及して⼀般農家でも安く運用出来るようになればと思います。

グリーンハウスの圃場(ハウスブロックの一部分)
日射比例式潅水で使用する日射計

蝦名園芸 蝦名様ありがとうございました。
テクノロジーは進化していきます。一部他メーカー様で販売、実証している機器もあると思います。jwpも農業現場で使えるより良い物を考え提供していきたいと思います。

あぐりウォーター(自動潅水・施肥制御盤)の詳細については製品ページをご確認ください。

あぐりウォーター製品ページ