スマート農業日誌


 

題名: 鳥獣害駆除につきまして(11月までの稼動報告)

ようやく 主力のサンふじの収穫も最盛期を過ぎまして、JAつがる弘前様と当社などで共同実証試験中の、「鳥獣害駆除装置の効果確認および単独太陽光電源システムにおける安定稼動」の共同研究につきまして、中間報告をいたします。

 

2/24~5/13 桃園における、実証試験

本年は、2月から、JAつがる弘前様と、当社で鳥獣害駆除装置(他社製)とその電源として当社の独立型太陽光電源システムの 運用・実証評価をおこないました。
青森県弘前市原ケ平の桃園に、雪をかきわけながら、JAつがる弘前様と当社で設置しました。 評価内容は、「桃の木における花芽被害用(駆除装置)効果確認と、独立太陽光電源の運用評価」です。

 

結果は安定稼動、被害なしでした。

 

鳥獣害駆除装置とは!?

鳥獣害駆除装置は、当社とも繋がりのある会社の装置で群馬、長野、山梨県などを主な販売先として、全国に 販売数を増やしている装置。全国のJAにも数箇所導入されています。今のところ効果がないとの声は耳にしていません。
地震時に地盤が歪むときの波長を再現し、高周波を発生させ、鳥獣を警戒させ寄せ付けない装置だそうです。

青森県では「りんご」の鳥害として、ヒヨドリ、ムクドリ、カラス(ハシブト、ハシボソ)など 従来いた鳥と、近年は、冬鳥であるアトリや、シジュウカラなど。
特に平成24年は、鳥害被害が多く、アトリ、ヒヨドリ、カラスにやられたと農家さんが多かった。

JAつがる弘前様と弘前市の鳥獣害駆除装置の試験データでは、例年1000箱中、8~10箱の 鳥害被害があったものが、数玉と激変! 今後、広範囲および通年でデータを収集することになっています。

独立型の太陽光電源システムとは!?

この装置を果樹園で運用する場合、どうしても商用電源が引けない、でも運用したいとの要望があり 当社で独立型の太陽光電源システムを製作し、合同実証試験が始まりました。

鳥獣害駆除装置は、8Wの電力で、それを日照時間、無発電日などを考慮して太陽光電池、蓄電池の大きさを 最適に算出し、高効率の充電(MPPT)でシステムを構築しました。
最大の特長は、それぞれ独立した蓄電池を有し、総容量は倍、充電は1ヶ単位で充電池を単独で充電するため速く充電でき、 放電、充電のサイクルを効率よく運用するシステムです。

現在、山形県の養殖場でも鳥獣害駆除装置と当社の独立型太陽光電源をセットで納品し、稼動しています。

5/13~11/28 りんご園における、実証試験

桃園での花芽対策に続き、青森県弘前市大字一野渡のりんご園にて実証試験をおこないました。
共同研究は、JAつがる弘前様、一大地区鳥獣被害対策協議会様と当社です。

調査内容 :
① 鳥獣駆除装置の稼動状態の確認
② 食害や枝折れ被害の確認
③ 周辺での鳥獣害の活動状況の調査
④ 太陽光発電システムの稼動状況の確認

圃場は、標高172mで、山に囲まれたところで、熊、猿、カラスなど被害、特に熊、猿はいつでも出没するとのことでした。
猿は通常、猟銃で撃って、尻尾を切落とし、市に持っていけば鳥獣害駆除として報奨金がもらえますが、圃場主は「面倒なのでそのままにしている」とのこと。

昨年は、圃場を下った市の管轄施設から電源を100m位引き大変だったとのこと。
当然通年に渡り商用電源をこのような状態では、借りれませんし、契約・申請も大変です。
このような圃場では独立型の自然エネルギー電源システムが有効かと考えます。

         北側園地                南側園地

9/4月に、圃場主に会ったときには、安定稼動し、被害もないとのこと、後は、収穫時期の9月から 11月いっぱいまでの果実食害があるかどうか!。
結果、鳥獣害駆除装置は一応効果があるということでした。
当社の独立型太陽光電源システムのほうは、設置した5月以降バッテリー不足も無く順調に稼動しているそうです。

12/1~  りんご園における、今後の実証試験について

冬期間もウサギによる被害(厳寒期は、餌が不足するため、ウサギやネズミなどはりんごの木をかじる。) があるため、そのまま設置し、管理をJA様にお願いして通年試験していきます。 今後(来年)、他の場所にもJA様が設置する予定があり、独立型太陽光電源システムの需要/設置も増えそうな感じです。

平成26年11月28日 株式会社 ジョイ・ワールド・パシフィック ソフト開発課

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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